あの一瞬の風がくれた力
夕暮れのグラウンドを夢中で走っていたあの日。
全身で感じるあの一瞬の風は、自分と向き合う力、未来へ踏み出す勇気をくれた。
青春は、どこかで終わるものじゃない。
あの瞬間を胸に、今も走り続けているーー私の中の風は、まだ止まらない。
走ることが好きだった子供時代
小さい頃から、とにかく体を動かすことが好きだった。
走っても、跳んでも、負けるのは嫌い。
徒競走での連覇と地区対抗リレー
小学生時代、徒競走では6年間ずっと1位。
スタートの合図と同時に、風が頬を切るあの瞬間がたまらなく好きだーー胸が高鳴った。
あのワクワクは今も鮮明だ。
毎年、地区対抗リレーのメンバーにも選ばれた。
私にとって、負けることはただの負けじゃない。「自分」を否定されるような感覚だった。
女子サッカー部との出会い
体育の授業でボールを追う時間が好きだった。
興味半分で踏み出した女子サッカー部への一歩。
気づけば県大会2位のチームに。
グラウンドで仲間と駆け抜けた日々は、静かに、でも確かに、私の世界を塗り替えていった。
初めて知った上下関係と社会の縮図
初めて知った上下関係。
小学生の世界にも、先輩と後輩という秩序は揺ぎなく存在する。
その空気は、まるで社会の縮図ーー私の小さな世界を形作っていた。
諦めない心
体の大きさなんか怖くない。走る。ぶつかる。奪う。
成功の瞬間、胸の奥で熱が弾ける。
「絶対に負けない」という想いが、いつも心の真ん中にあった。
陸上部での挑戦と涙
中学では女子サッカー部がなく、迷った末に選んだのは陸上部。
脚力にも腕力にも自信があった。
「自分なら何でもやれる」ーーその思いは、スタートラインに立つたび試される。
ゴールにはいつもライバルたちが待つ。
追いつけない背中が遠ざかるたび、胸の奥が締め付けられ、涙が溢れた。
何度も何度も流した涙は、自分を前に向かわせるエネルギーへと変わった。
練習を休まない日々と掴んだ舞台
先生の言葉は絶対。怒られることも日常の一部だった。
それでも、足を止めることはなかったーー休んだのは、お盆と年末年始だけ。
毎日ひたむきに練習し、ついに立った舞台は近畿大会、そして全国大会。
歓声と光に包まれたあの日の瞬間は、今でも色褪せず心を照らし続けている。
支えてくれた人たち
辛いとき、母は静かに寄り添い、背中を押してくれた。
仲間もライバルも、同じグラウンドで汗を流し、それぞれの夢に向かい走っていた。
互いに励まし合い、時には競い合いながら積み重ねた日々は、私にとって生涯忘れられない宝物。
高校に進んでも、挑戦の炎は消えなかった。
近畿大会、インターハイという大きな舞台を目指し、再び全力で走る日々が続いた。
あの全力が今を作る
あの時燃やした全力は、今の私を作った。
挑むことを恐れず前へ向かう力は、あの日の汗と涙から生まれた。
ゴールの先、さらにその向こうへーーその精神は、これからも私を押し続けるだろう。
今あなたが抱くその情熱も、きっと未来のあなたを力強く支えてくれる。
小さな一歩でも構わない。
今日の追い風を背に、あなたの明日へ踏み出そう。