vol.9|テレビで見たあの景色に、私が立っている!空の広さに震えた日

こころの日記

最近、今の生活の中でふと、あの時の高い空を思い出す時があります。

海外編の続きを、また綴ります。

おじさんの一言で、ようやく「私」を取り戻す

「迷ったら立ち止まるな。まずは伝えろ。」

そう自分に言い聞かせても、心臓のバクバクは一向に収まらない。

でも、あのおじさんが

「小銭をあげるから、そこに電話してみたら?」と言ってくれたのが、

本当に、本当に救いだった。

「そうだ、語学学校には日本語の通じる先生がいるじゃないか!」

パニックになると、人間はこんなに当たり前のことも忘れちゃうらしい。

公衆電話を探して、震える手で番号を押す。

電話の向こうから日本語が聞こえてきた瞬間、

その場に崩れ落ちそうなくらいホッとした。

「住所はわかる??大丈夫!!落ち着いて来てね!」

その言葉だけで、真っ暗だった目の前がパッと明るくなった気がした。

「よし、なんとかなる!絶対に行ける!」

おじさんにお礼を言い、私はついに、ずっと私を守ってくれていた空港の自動ドアへと向かった。

自動ドアの向こう側。「空、広っ!」

プシュー、と音を立ててドアが開いた瞬間。

「あ、空気が違う……」

真っ先に感じたのは、日本とは違う、どこか乾いた、でもどこか甘いような不思議な空気の匂いだった

そして、顔を上げた瞬間に思わず声が出そうになった。

「……空、高っ!っていうか広っ!!」

日本で見ていた空より、なんだかずっと遠くにある気がして、

改めて「私、とんでもない所まで来ちゃったんだな……」と全身で実感した。

あまりの空の広さに、自分がアリんこみたいに小さく感じて、少しだけ怖くなった。

でも、不思議と「おじさんに助けてもらったんだから、私はもう大丈夫」という、

根拠のない自信もどこからか湧いてきた。

次のミッションは、自力で目的地へ!

空港で立ち止まっていた私を救ってくれた、おじさんへの「最初のアクション」。

それを乗り越えたことで、私の中には、

「行動のルール第一条:迷ったら立ち止まらず、自分から助けを求める」

という教訓が刻まれていた。

でも、本当の試練はここからだ。

次のミッションは、自力で学校のある市内まで行くこと。

電話で先生に教えてもらった通り、

一番安くて確実な「電車」を使って、自分の足で目的地を目指すことにした。

自分の体より大きいんじゃないかと思うほどのスーツケースを必死に引っ張って、

駅のホームへ向かう。

ガタン、とドアが閉まって電車が動き出したとき、

ようやく「ふぅ〜〜〜っ」と、今日一番の深いため息が出た。

窓の外には、さっきの広い空がずっと続いている。

ガタゴト揺られながら、過ぎてゆく景色を見ながら、

「よし、第二の壁もクリア。よくやった、私!」と、

心の中で自分をちょっとだけ褒めてあげた。

「これ、テレビの中じゃないよね?」溢れる街のエネルギー

やがて、目的の駅に到着した。

そこは深い地下にあるホーム。

ひんやりした空気の中、重いスーツケースを必死に抱えて、地上へと続く長いエスカレーターを上がっていく。

一歩、また一歩と地上へ近づくにつれて、外の強い光が差し込んできた。

そして、ついに街へと降り立った瞬間、私はその場に石みたいに固まってしまった。

「……え、何これ、テレビの世界?」

パッと目の前に広がったのは、今まで画面の中でしか見たことがないような、

色彩豊かで、なんだか現実味がないほど綺麗な街並みだった。

空を見上げれば、ガラス張りの高層ビルが、あの突き抜けるような青空をキラキラと映し出していた。

「私、本当に今、この場所に立ってるの?」と、

夢を見ているような不思議な感覚。

街に溢れる不思議な熱気が肌に伝わってきて、

なんだか体中の細胞が目覚めるような気がした。

街全体から「生きてる!」というすごいエネルギーが溢れ出している。

多言語が入り混じる騒がしい音、人々の歩くスピード、日本では感じたことのない独特の熱気。

「うわぁ、すごい!本当に来ちゃったんだ……」

あまりの活気に圧倒されそうになったけれど、

それ以上に、「自分の足でここまで来られた」という実感が、私を支えてくれた。

誰かに助けてもらった第一歩の次に、自分の力でこの場所へ辿り着いた瞬間。

そして、私の中に新しいルールがしっかりと刻まれた。

「行動のルール第二条:不安な時ほど、自分の足でリズムを刻む」

さあ、ここからが本当のスタート!

私は気合を入れ直して、大きな荷物を引きずりながら、エネルギッシュな街の中へと進んで行った。

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