vol.12【特別編3】私の中に生きている、昭和の記憶

こころの日記

ふとした瞬間に引き戻される、あの頃の記憶

雨の日、アスファルトから立ち上がる独特の匂い。

ふとした瞬間に、私は一瞬にして「あの頃」の記憶に引き戻される。

まるで、身体がその場所を覚えているかのように。

私の記憶の原風景には、いつもあの茶の間があった。

石油ストーブの上で、シュンシュンと音を立てながら揺れるやかんの湯気。

少し重たい、独特の柄のこたつ布団。

それは、私の中に今も鮮やかに生きている、昭和の記憶。

懐かしさが詰まった、手のひらの中の小さな世界

机の引き出しの奥には、

大切に集めて、いつの間にかカチカチに固まってしまった「匂い玉」があった。

シルバニアファミリーやリカちゃん人形で、

時間を忘れて遊んでいた、あの静かで満ち足りたひととき。

リカちゃんの着せ替え服は、子供心にも結構高いとわかっていたけれど、

お母さんは本当に色々と買ってくれた。

あの頃、世界はとても狭くて、

けれどその分、私は完璧に守られていたのだと思う。

オレンジ色に染まるまで。手が悴むほど夢中だった放課後の小学校。

放課後、友達と日が暮れるまで遊んだ。

中庭にあったみかんの木の実をこっそり取って、

冬の寒い中、一生懸命に絞ってジュースにしたこと。

手が悴(かじか)むまで夢中になって遊んだ、あの冬の空気。

公園で近所の子たちと遊んでいると、

日が暮れる頃にお母さんが迎えに来てくれた。

遠くに見える、あの大好きな笑顔。

長い影を落としながら、手を繋いで歩いた帰り道。

少し切ない夕暮れの気配。

そんな何気ない日常の風景が、無性に懐かしい。

台所から漂う、忘れられない母の味

お母さんは、本当にお料理が上手だった。

台所から漂ってくる、あのたまらなくいい匂いが大好きだった。

味がしっかり染みた「いりどり」。

湯気が立ち上る「豚汁」に、お釜を開けた瞬間の「炊き込みご飯」。

そして、揚げたての「唐揚げ」。

「熱いから気をつけて」と笑いながら見守ってくれるお母さんの横で、

つまみ食いをしたあの瞬間の幸せ。

懐かしい「豆味噌」の香り。

何でも手作りで、いつも驚くほど美味しかった。

お母さんが台所に立っている。

ただそれだけで、家の中は言葉にできない安心感で満ちていた。

私を支え続ける、お母さんの無償の愛

楽しい時も、嬉しい時も。

そして、どうしようもなく悲しくて、辛い時も。

お母さんは、いつだって私の味方でいてくれた。

いつも、私を励まし続けてくれた。

大人になった今、ふと思う。

お母さんはあの時、どんな想いで私たちを育ててくれたのだろう。

どんなに大変な時でも、

台所からいい匂いをさせて、私たちを笑顔にしてくれていた。

その強さと無償の愛が、今の私を支える根っこになっている。

迷いながら、未来へ繋いでいきたいもの

時代は移り変わり、景色も変わってしまったけれど、

あの頃の自分が感じた、小さな幸せへの感動は、

今も色褪せることなく咲き続けている。

けれど、私は今、あのお母さんのようになれているだろうか。

忙しさにかまけて、大切な何かを疎かにしてしまっていないだろうか。

いつか子供が、私と同じくらいの年齢になった時、

彼らはどんな景色を懐かしく思い、

私のことをどんな「お母さん」として思い出してくれるのだろう。

お母さんのようには、まだ上手くできないかもしれない。

けれど、あのアスファルトの匂いや、ストーブの湯気のように。

「ただ、そこに漂っているだけで心が解ける」ような、

そんな温もりを繋いでいきたいと思う。

このブログを続けることは、

迷いながらも、自分自身を見つめ直し、

また一歩踏出すための【大切なお守りであり、道しるべ】なのだ。

「心に花咲く日記」が、

私と、そして読んでくださるあなたの心に寄り添う場所であることを願って。

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